伊勢地方のしめ縄​ 

-受け継がれる疫病除け-

 新年を迎え、1ヶ月が経ちました。コロナも第三波が到来し、日々制限された生活をお送りだと思います。今回は、伊勢地方のしめ縄について紹介します。

 まず、しめ縄の装飾にもそれぞれ意味があります(図1)伊勢地方のしめ縄の特徴として一年中、玄関先に飾られます。中央には木の札があり「蘇民将来子孫家」と書いてあります。これは以下の逸話が起源となっています。

 昔、須佐之男命が旅をしていました。泊まる宿が無く困っていた時、蘇民将来という人物が貧しいながらも快く、須佐之男命をもてなしました。須佐之男命は、大変喜び一宿のお礼として、茅の輪を与え「疫病あれば、蘇民将来の子孫と言いなさい。その茅の輪を腰に付けたる者は、難を逃れるでしょう」と言い残しました。以来、蘇民家は、疫病が流行っても免れ代々栄えたという話です。『備後国風土記』でも同じような内容がみられ、疫病や禍事から免れるよう、全国各地でも風習やそれに由来する祭が存在します。

 また、神社で行われる大祓神事の茅の輪くぐりは、この蘇民将来と須佐之男命の話に由来するものです。

 日本では疫病が流行ると、神に祈り終息を願いました。その祈りは習慣や祭という形で現代に受け継がれています。ですが、昨年は密を避ける為、たくさんの祭が中止になりました。今年こそは、コロナウイルスが終息し、神様に喜んでもらえる賑やかな祭が開催されること、平穏な生活に戻ることを心より祈念いたします。